ウィーンのニューイヤーコンサートは、毎年90を超える国々の数千万人が視聴します。ウィーン楽友協会の本部にある「黄金のホール」は、世界有数の音響を誇ります。2002年、本部からわずか4メートルの距離に地下鉄のトンネルが建設された際、マススプリングシステム(MSS)には耐振動技術のスペシャリストであるゲッツナー・ヴェアクシュトッフェのSylodyn®のポイントベアリングが採用されました。
それから17年間の長きにわたり、運用される中で、毎日約4億5,000万トンもの荷重を支えてきた同システムは、今でも劣化することなく高い性能を発揮しています。
ウィーン楽友協会の本部のすぐ横に新たな地下鉄路線を建設する承認を得るにあたっては、同本部にある有名なコンサートホールのいずれにおいても騒音と振動のレベルが決して増加しないよう、事前調査をする必要がありました。「弊社のソリューションは、Sylodyn®の点支持を採用したマススプリングシステム(MSS)の敷設です。同システムの垂直方向の固有振動数は5.5Hzであり、エラストマー素材のベアリングを用いたMSSにおいて達成された中で、史上最小の数字です」と、ゲッツナーのオーストリア本社でプロジェクトマネージャーを務め、システム開発の責任者でもあるマルクス・ハイムは述べました。
100メートル区間で、合計192個のベアリングが設置されていて、その狙いは、隣接する地下鉄からの振動と騒音の妨げなく、楽友協会を訪れた人々がコンサートを楽しめるようにすることです。
新たな車両がもたらす新たな課題
ウィーンの地下鉄は現在、最新鋭の車両を運行しているため、これまでの車両とは発生する音と振動が異なります。また、本部の構造に関しても、新たな窓の設置など、いくつかの変更がありました。「取り巻く環境が変わっていること、そしてトンネルの建設後には路線ごとに250本の車両から毎日約4億5,000万トンという総荷重がかかり続けていることから、同MSSの長期的な性能を確認することが必要だと考えました」と、マルクス・ハイムは述べました。
2019年、様々な計測を実施した結果、同システムの計画および敷設時に設定された高い要件が今でも満たされているかを確認しました。様々なタイプの車両を用いた試験において、MSSの固有振動数、スラブ、トンネルの床面、およびトンネルの壁面における騒音発生量、ならびに車両通過時のスラブの歪みを測定しました。さらに、「黄金のホール」を含む3つのコンサートホールにて、高さ2.5メートルの地点でホール内に侵入する空気中の2次騒音量を測定しました。
17年経過後も最適な性能を保持
その結果は目を見張るものでした。「17年経過した後も、防振性能は劣化することなく高いレベルで保持されています。侵入する騒音量に関するアセスメント条件も、今でも全て満たされています」と、マルクス・ハイムは言います。「MSSの垂直方向の固有振動数をインパルス励振、環境の微小地震動、および列車通過時の計測で測定したところ、2003年の検収試験の時から変わっていないことがわかりました」。Sylodynのベアリングの動力学的特性は、長年使用される中でも劣化することがなかったのです。
アジア関連の参照資料(一部):
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